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ニフティフィフティとは?半世紀後の今でも高リターンを上げ続けている企業の特徴。

皆さん、「ニフティフィフティ」ってご存じでしょうか?

1970年代前半に投資家の注目を一身に集めた50銘柄のことです。

ちょうど今でいうGAFAMみたいなものですね。

具体的には、ポラロイド、デジタル・イクイプメント、バローズ、ゼロックス、エイヴォン・プロダクツなど、いずれも当時の「ニュー・エコノミー」を代表するハイテク企業や新興企業です。

今回は、ニフティフィフティと呼ばれてから半世紀が過ぎた今でも高リターンを上げ続けている銘柄の共通点について深掘りしてみたいと思います。

ニフティフィフティとは?

ニフティ(nifty)とは日本語でいうと「イケてる」とか「粋な」という意味です。

つまり、ニフティフィフティとは「イケてる50銘柄」という意味ですね。

1970年代前半は、この50銘柄に投資家の人気が集中しました。

どの銘柄も平均PERを大きく上回っていたのです。

他銘柄が停滞する中、この50銘柄だけで株式バブルをつくったといっても過言ではありません。

ところが、ニフティフィフティは1973年に始まった超高インフレとそれに伴う超高金利時代に徹底的に売り込まれました。

とんでもないPERで取引されていたこともあり、バブル時の高値を回復するのに5年から10年以上の歳月を要したのです。。

銘柄一覧

次に、ニフティフィフティの①銘柄一覧、②1972年当時のPER、③株価のピークであった1973年1月から2022年7月1日までの平均年率リターン(配当込み)を見ていきましょう。

以下はリターンが高い順に並べております。

「#NUM!」となっている企業は、買収されたか倒産したかで現在は存在していないか、何かしらの理由で当時の株価データが残っていない企業です。

企業名 ティッカー 1972年PER IRR
アルトリアグループ
MO 24 15.76%
ペプシコ PEP 27.6 12.82%
マクドナルド MCD 71 12.19%
イーライリリー
LLY 40.6 12.11%
ファイザー PFE 28.4 12.01%
ブリストル・マイヤーズ
BMY 24.9 11.38%
ジョンソン&ジョンソン
JNJ 57.1 11.31%
コカコーラ KO 46.4 11.04%
メルク MRK 43 10.94%
P&G PG 29.8 10.93%
テキサスインスツルメンツ
TXN 39.5 10.91%
アメリカンエクスプレス
AEXP 37.7 9.66%
ウォルトディズニー
DIS 71.2 8.53%
3M MMM 39 8.45%
IBM IBM 35.5 7.07%
ゼネラルエレクトリック
GE 23.4 6.63%
ハリバートン HAL 35.5 5.77%
ゼロックス XRX 45.8 0.00%
ヒューブライン
HBL 29.4 #NUM!
スクイブ SQB 30.1 #NUM!
ジレット GS 24.3 #NUM!
アンバイザーブッシュ
BUD 31.5 #NUM!
シェリングブラウ
SGP 48.1 #NUM!
ファーストナショナリシティ
C 20.5 #NUM!
アメリカンホームプロダクツ
AHP 36.7 #NUM!
アメリカンホスピタルサプライ
AHS 48.1 #NUM!
AMP AMP 42.9 #NUM!
ダウケミカル DOW 24.1 #NUM!
チェスブローポンズ
CBM 39.1 #NUM!
アップジョン UPJ 38.8 #NUM!
バクスター BAX 71.4 #NUM!
シュランバーガー
SLB 45.6 #NUM!
インターナショナル・テレフォン&テレグラフ
ITT 15.4 #NUM!
ルブリゾル LZ 32.6 #NUM!
シアーズローバック
S 29.2 #NUM!
シューリッツジョーブルーイング
SLZ 39.6 #NUM!
エイボンプロダクツ
AVP 61.2 #NUM!
インターナショナル・フレーバーズ&フラグランシズ
IFF 25 #NUM!
レブロン REV 69.1 #NUM!
ルイジアナランド&エクスポロレーション
LLX 26.6 #NUM!
JCペニー JCP 31.5 #NUM!
ブラックアンドデッカー
BDK 50 #NUM!
シンプリシティパターンズ
SYP 43.5 #NUM!
イーストマンコダック
EK 47.8 #NUM!
ディジタルイクイップメント
DEC 56.2 #NUM!
クレスゲ KM 49.5 #NUM!
バローズ BGH 46 #NUM!
エメリーエアーフライト
EAF 55.3 #NUM!
MGICインベストメント
MGI 68.5 #NUM!
ポラロイド PRD 95 #NUM!
S&P500 18.9 10.39%

50銘柄の内、約50年後の現在でも生き残っている企業は18銘柄のみです。

更に、ニフティフィフティの1972年当時の平均PERは42倍で、S&P500の18.9倍を大きく上回ります。

これだけでも、当時の熱狂がいかほどであったかがうかがい知れます。

また平均年率リターンでS&P500を上回ったのはわずか11社です。

高リターン企業の特徴

ここからは、上記リストの内、平均リターンがS&P500を上回った企業の特徴を見ていきましょう。

S&P500を上回った企業を再掲します。

企業名 ティッカー 1972年PER IRR
アルトリアグループ MO 24 15.76%
ペプシコ PEP 27.6 12.82%
マクドナルド MCD 71 12.19%
イーライリリー
LLY 40.6 12.11%
ファイザー PFE 28.4 12.01%
ブリストル・マイヤーズ
BMY 24.9 11.38%
ジョンソン&ジョンソン
JNJ 57.1 11.31%
コカコーラ KO 46.4 11.04%
メルク MRK 43 10.94%
P&G PG 29.8 10.93%
テキサスインスツルメンツ
TXN 39.5 10.91%

 

これらの銘柄を見ると二つの特徴に気付きます。

それは、消費者ブランド企業と製薬企業が大半を占めるということです。

消費者ブランド企業

まず目立つのがブランド企業です。

11社の内、実に5社(アルトリアグループ、ペプシコ、マクドナルド、コカ・コーラ、P&G)が消費者ブランド企業です。

消費者ブランド企業の主力商品は基本的に高品質・低価格なのですが、他社との差別化要因は実はそこではありません。

消費者ブランド企業の武器は「顧客からの信頼」です。

「この商品を買えば間違いない」という顧客からの信頼こそが武器なのです。

「アルトリアのマルボロをかっておけば絶対満足できる。」

「ペプシやコーラ、マクドナルドを買っておけばまちがいなくうまい」

「P&G製品を買っておけば、品質は間違いない」

こういった顧客からの信頼がこれらの企業にとって最も重要なのです。

「この商品を買えば間違いない」というのは、多くの選択肢から商品を選ぶ消費者にとって、購買時のストレスを大きく軽減してくれるものなのです。

よって価格競争にも巻き込まれにくいです。

長年かけて築かれた顧客からの信頼は簡単にすたれることはありません。

また、タバコや飲食、生活必需品等、消費サイクルが早いモノばかりなので、顧客は定期的にこれらの企業にお金を落としてくれます。

また企業にとって大事なのはマーケティングです。

新商品開発が頻繁にあるわけでもないので投資支出も少な目です。

このような理由から、これらの企業は世界経済と共に成長し、高収益体制を維持できるのです。

製薬企業

消費者ブランド企業の次に目立つのが製薬会社です。

11社の内、実に5社(イーライリリー、ファイザー、ブリストル・マイヤーズ、ジョンソン&ジョンソン、メルク)が製薬会社です。

製薬会社は、開発した医薬品に対する特許の期間(10年程)が決まっています。

よって、消費者ブランド企業と違って新薬を作り続けていく必要があります。

この「作り続けなければいけない」というところに製薬ビジネスの難しさがあると感じますが、約50年で見ても素晴らしいパフォーマンスを出しています。

ここから読み取れることは、巨大製薬会社の新薬開発能力はある程度再現性が高いことがわかります。

現に、これらの企業は今でも製薬業界のトップ企業です。

巨大な資本があるからこそ、巨額の研究開発費を使うことができ、高い給与で優秀な人材を確保できます。

また、これまで培ってきたデータや臨床試験のノウハウなどが大きな参入障壁になっているといえるでしょう。

地球全体として高齢化が進んでいく今後、製薬業界の市場規模はますます大きくなっていくと考えられます。

そのような中で、開発力の強いこれらの製薬会社も高収益をたたき出し続けると考えることができます。

まとめ

  • ニフティフィフティとは、1970年代前半に特に投資家の注目を集めた50銘柄。
  • 1972年のニフティフィフティの平均PERは42倍(S&P500は18.9倍)。
  • 現在までにS&P500の平均リターンを上回る銘柄は11社のみ。
  • その中で多いのがブランド企業と製薬企業。これらの企業はその構造的な強さから、今後も堅実なリターンが期待できそう。