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リセッションと株価ボトムとの関係とは?

最近、米国株投資家界隈では米国リセッション(景気後退)入り懸念が急上昇してますね。

急速な利上げとリセッション入り懸念で株価は急落中。。

でも、そもそもリセッションの定義って多くの人が知らないと思うんですよ。

しかもリセッション懸念でこんだけ株価下がってるけど、実際にリセッション入りしたらもっと株価下がるのかもよくわかってないですよね。

ということで今回はリセッションの定義と株価のボトムの関係について解説します。

リセッションとは?

米国では、リセッションは全米経済研究所(NBER)が公表します。

元々の定義は「実質GDPが前年対比で2四半期以上連続して減少した時」とされていました。

しかし、近年ではその定義が変わってきています。

NBERによると、「リセッション入りの確認に必ずしも2四半期連続の実質GDP減少は必要ではなく、実質GDP・所得・雇用・生産活動・卸売小売売上高等の経済指標から、経済活動の著しい減速が確認でき、それが数か月続いていれば、それはリセッションと定義することができる」と公表しています。

つまり、様々な経済指標から総合的に判断してリセッションかどうかを決めるよ、ということですね。

過去のリセッション

次に過去にはいつリセッションがあったのか確認してみましょう。

1980年以降ですと以下5回のリセッションがありました。

  • 1981年7月~1982年11月(16カ月間)
  • 1990年7月~1991年3月(8カ月間)
  • 2001年3月~2001年11月(ITバブル崩壊)(8カ月間)
  • 2007年12月~2009年6月(リーマンショック)(18カ月間)
  • 2020年2月~2020年4月(コロナショック)(2カ月間)

2000年以降のリセッションは大きなショックをともなうものでしたので、見覚えのあるものばかりですね。

リセッション時の株価の動き

それではそれぞれのリセッションの期間、株価はどのように動いていたのでしょうか?

かなり長期ですが、以下がS&P500とリセッション(水色の期間)との関係です。

リセッション期間はもれなく株価は下がってますね。まあ当然ですが。

そして、ほとんどのケースでリセッション期間中に株価がボトムをつけております。

リセッション期間中の買い時はいつ?

多くの場合、リセッション期間中に株価がボトムをつけます。

つまり、リセッション中こそが最高の投資タイミングということができます。

但し、問題なのはリセッションの最中にいると、いつまでリセッションが続くかはわかりません。

なのでリセッションだからという理由で株を買っても、実はまだ下落局面の最中だった、みたいなことは十分ありうるでしょう。

更に言えば、リセッションの開始と終了はリアルタイムで知ることができません。

例えば、リーマンショックの時は2007年12月にリセッション入りしているのですが、NBERによってそれが発表されたのは1年後の2008年12月です。

逆にリーマンショック時のリセッションは2009年6月に終了していますが、それが公表されたのは1年3か月後の2010年9月です。

つまり我々は「実はあの時からリセッション入りしていました」「実はあの時にリセッションを脱してました」というように事後報告を聞くことしかできません。

ではリセッションを手掛かりにボトムフィッシングしたい方はどうすればいいのでしょう?

一つの目安として言われているのが「リセッション入りから株価ボトムまでの期間は平均何か月後か」というのがあります。

なぜなら景気後退入りしてから立ち直るまでの期間、企業は人員整理をしたり、在庫整理をしたり、供給能力を減らしていくわけですが、それに要する期間というのは大きな差異はなさそうだからです。

以下に、各リセッションにおけるリセッション開始から株価のボトムまでの期間をまとめます。

リセッション入り S&P500ボトム 期間
1981年7月 1982年8月 13カ月間
1990年7月 1990年10月 3カ月間
2001年3月 2002年9月 16カ月間
2007年12月 2009年3月 15カ月間
2020年2月 2020年3月 1カ月間

 

コロナショックは、人為的に経済をストップさせたリセッションなので、ここでは例外として除きましょう。

他の計4回におけるリセッション入りから株価ボトムまでの平均期間は11.75か月です。

つまり、過去を振り返るとリセッション入りからだいたい1年後くらいに株価がボトムをつける傾向にあったということが言えますね。

こんなことを考えながら来るリセッションに臨みましょう!

まとめ

  • リセッションは全米経済研究所(NBER)が公表するもので、定義は「各経済指標から総合的に経済活動の著しい減速が確認できた時」。
  • 過去のリセッションは2000年以降のリセッションだと2001年のITバブル崩壊、2007年~2009年のリーマンショック、2020年のコロナショックがある。
  • リセッション期間中に株価がボトムをつける傾向があり、リセッション入りから株価ボトムまでの平均期間は11.75か月。