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中小型株の値動きを代表するラッセル2000指数とは?超重要な〇〇という特性がある!

今回は”ラッセル2000″について解説しますね。

米国の代表的な指数としてはS&P500やダウ、Nasdaqが有名ですが、小型株の代表的な指数としてはラッセル2000が有名です。

まあ、他の主要指数と比べるとかなり影が薄いんですが、実は後述するような超重要な特性もあるので投資家としては絶対に知っておくべき指数です!

それでは見ていきましょう。

ラッセル2000とは?

ラッセル2000とは、米コンサルタント会社のラッセルインベストメント社が1984年に開発した米国の代表的な小型株指数です。

ニューヨーク証券取引所、NYSE American、NASDAQに上場している銘柄のうち、時価総額が上位1001位から3000位までの銘柄を時価総額加重平均で株価指数化したものです。

米国の小型株ファンドのほとんどがベンチマークとして採用しているんです。

1986年12月31日を基準値(135.00)として算出されていて、年1回銘柄入れ替えを実施しています。

米国の機関投資家が扱う銘柄数が約3000銘柄といわれているので、これを根拠に時価総額の上位3000銘柄をピックアップして指数化したラッセル3000という指数をベースに作成されたんです。

他にも、時価総額の上位1000銘柄を指数化したラッセル1000という指数もあります。

ラッセル2000の構成銘柄

2022年2月末時点のラッセル2000構成銘柄のトップ10は以下の通りです。

(ちなみにラッセル2000の銘柄組換えは毎年6月です。)

  1. Ovintiv Inc(エネルギー)
  2. Amc Entertainment(一般消費財)
  3. Tenet Healthcare Corp(ヘルスケア)
  4. Synaptics Inc(テクノロジー)
  5. Bj’s Wholesale Club Hdlg(一般消費財)
  6. Tetra Tech Inc(工業)
  7. Lattice Semiconductor(テクノロジー)
  8. Performance Food Group(生活必需品
  9. Macys Inc(一般消費財)
  10. Chesapeake Energy(エネルギー)

過去リターン比較(ラッセル2000 vs S&P500 vs Nadaq100)

ここからはラッセル2000の過去リターンを、S&P500とNasdaq100との比較で見ていきましょう。

ラッセル2000は小型株の集合体なので、まだ無名の企業が大企業にのし上がるまでの株価が大きく上昇する期間を捕捉できるのが利点ですよね。

リスクは大きそうですがその分リターンも大きそうです。

それでは見ていきましょう。

年別

2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
Russel 2000 14.65 -11.01 25.52 19.96 14.82
S&P 500 21.83 -4.38 31.49 18.40 28.71
Nasdaq 100 32.70 -0.14 39.12 48.60 27.24

※単位は%、トータルリターン。

直近5年間を見るとほとんどの年でS&P500とNasdaq 100をアンダーパフォームしてますね。。

直近1年間の累積リターン

青色:Russel 2000
水色:S&P 500
紫色:Nasdaq 100

直近1年間だとラッセル2000がアンダーパフォーム。。

直近5年間の累積リターン

青色:Russel 2000
水色:S&P 500
紫色:Nasdaq 100

直近5年間でもラッセル2000がアンダーパフォーム。。。

まあ、投資家ならもっと長期目線で見ましょう。

直近10年間の累積リターン

青色:Russel 2000
水色:S&P 500
紫色:Nasdaq 100

直近10年間でもラッセル2000がアンダーパフォーム。。。。。

ここまでアンダーパフォームぶりを見せつけられるとラッセル2000の存在意義を疑いますね。

ここからわかるシンプルな考察は、大型企業を持っていないとリターンが劣後してしまうということかと。

これはなぜなんでしょうか?

ここからはあくまで推測ですが、1990年代後半以降の本格的なIT時代の到来で、米国市場の主役がIT企業に変わったことが主因と考えます。

IT企業が自社サービスの質を改善し、売上を拡大していくために最も重要な要素は”データ”です。

つまりデータの量が多ければ多いほど、自社サービスの質を高めることができ、新たに顧客を獲得し、更にデータの量が増えるという好循環に入るのです。

つまり、IT企業は「大きな企業が更に大きくなる」という性質があるんですね。

代表例がまさにGAFAMです。

試しに本格的なIT時代到来前の1988年~1993年の5年間のラッセル2000とS&P500のリターンを見てみましょう。

青色:Russel 2000
水色:S&P 500

この時期だとラッセル2000とS&P500のリターンには大差ないことがわかりますね。

このことからも超IT時代の今、大型IT株が全体のリターンに占める重要性が増していることがわかりますね。

よって大型株を含まないラッセル2000というのはリターンとしては他指数に劣後しやすいといえるかもしれません。

重要な特性

ラッセル2000の超有益な使い方とは“炭鉱のカナリア”として使うことなんです。

“炭鉱のカナリア”とは簡単にいうと、将来の景気後退や株価暴落などを前もって知らせてくれるシグナルのことです。

ここにも書いてあるんですが一般的に、大型株が下落に転じる前に中小型株が下落に転じるっていう傾向があるんですね。

大型株と比べて業績の不安定な中小型株は当然リスクが高いので、リスクを察知した投資家が真っ先に手放す銘柄だからですね。

ではわかりやすくラッセル2000指数とS&P500指数の2020年1月からのチャートを比べてみましょう。

青:ラッセル2000
緑:S&P500

ラッセル2000は2020年に急激に立ち上がって、2021年の秋からS&P500に先んじて下落していますね。

ある程度上昇する時も下落する時も先行性がある指標なんです。

つまりラッセル2000をうまく活用すれば、株価暴落前に誰よりも先に撤退することができ、株価上昇時に誰よりも先に参戦することができる可能性があるってことですね。

私はラッセル2000の活用を行うなど日々相場の研究を行っており、以下の通り、殆ど底で仕入れて、更に暴落を回避しています。

【上昇局面】

【下落局面】

まとめ

  • ラッセル2000とは米国株式市場の時価総額上位1001位~3000位の銘柄を時価総額加重平均で指数化したもの。
  • ラッセル2000の最近のリターンはS&P500やNasdaq100に大きく劣後している。
  • ラッセル2000は株価暴落を事前に知らせてくれる”炭鉱のカナリア”として機能する。